今思えば山岳ガイドの仕事は成るべくして成ったという感じです。高校卒業を間近に控えてい
ても将来特に希望の職種もなく、かといって大学に進み何か専門的な勉強、技術を身につけ
たいなどの考えも無く漠然としていました。

そんな時、自衛隊に就職している身内の関係で勧誘員が実家に訪問、話を聞いている内に自衛隊も良いかと思い就職を決め、最初の配属先は倶知安となりました。

その時までは特に熱中する物もありませんでしたが、自転車を買い１年に２回のペースで輪講
袋に分解した自転車を入れて列車で移動、キャンプをしながら函館や稚内、道東にも足を伸
ばしました。

なぜ自転車かというと小さい頃から地図を見るのが好きで未知の世界への憧れは人一倍あっ
たからです。

学生時代には興味の無かったスキーにも関心を持つようになり、暇さえあればスキー場に足を
運ぶようになり、一時はスキーで生計を立てられないものかと本気で考えたほどです。

また夏は登山にも凝るようになりその当時は地図も持たず、技術も無いのに札幌近郊の山々をはじめ、残雪期の羊蹄山にも登りました（今思えばヒヤヒヤものです）。

そんな自衛隊生活も２２歳までの４年間でピリオドを打ち、退職後は当時念願だった自転車旅行を納得行くまで走ってみたいという希望を実行に移しまし。
４月中旬に実家の余市（小樽の隣）をスタートして、8ｶ月かけて日本を縦断し、その年のお正月は石垣島で迎えました。
その間はパンクや自転車の故障など数々のトラブルもありましたが、時には見知らぬ人からの手助けもあり人の温かみを感じました。

また台湾にも行き一ｶ月程、峠を中心に走り約１年ぶりに戻ったあとは、長野の旅館でアルバ
イトをしたりニセコヒラフ、志賀高原の国民宿舎でアルバイトをして時間のある時はスキーばか
りの毎日です！

北アルプスの西穂山荘でも１シーズン働かせてもらい休みの日には北アルプスを縦走、今でも初めて見た穂高の山並みの感動は忘れません。

山好きの気質は海外にも触手が動き世界一の山、エベレストを見たくネパールにトレッキングにも行き、この時は半年ほどいてネパールの他インドに１月程、タイに１０日程いました。

その時、前に務めていた�潟mマドの職員にトレッキングの最中、山で出会い日本に戻った時に
山岳ガイドの仕事をしてみないかと誘いを受け１１年近く働かせてもらいました。

当時山のことは一から十までノマドで教わり、またお客さんからもたくさんのことを教えて頂きま
した。

２００３年１０月、�潟mマド退社後に山岳ガイド「高山」として第３の人生を歩んでいます。