暗くなる


 この時は2日間の偵察山行で一日目の終わり、3山目の目的の山に入るときです。
歌志内、上砂川、芦別の境界に跨る標高811mの「辺毛山」に偵察に行った時の話です。

桂沢湖に出て富良野と芦別の分岐から芦別方向に向かい、八月沢林道から辺毛山を目指
す。
途中森林管理局の車がなにかの作業をしていた。
この先の通行状況を確認すると奥には採石場がありその手前の分岐でゲートが閉鎖されてい
るそう、おまけに狩猟期間で許可もなしに入らない方がいいとのこと。

まあいける所までと思いさらに先へ…。採石場の分岐に出て確かにゲートはあるが開放されて
いる、鍵が「とって」の部分に掛かっていて自分の林道キーが有効か試してみる、ドンピシャで
有効、これで入っている間に施錠されても問題なし。

安心してさらに進む、頂上東側の尾根を確認してどこか広いスペースで引き返すつもりがなか
なかいい場所が無く、かなり奥にはいって数十回切り返しを試みやっと戻れる。
取り付き尾根の1本手前、林道脇に車を停めて登ろうかどうか迷う。
なんせ時間は午後3時過ぎ、ネットで調べたレポートでは登り1時間10分、下り30分。
僕の体力フル動員でも下る頃には暗くなるはず、もう一度よく地図を見ると顕著な尾根なので
迷うことはないと判断。
当然ヘッドランプ、熊スプレーと小さなラジオを点けながら出発、この時すでに時計は午後3時
11分、林道を尾根1本分進み取り付きやすそうな所から尾根に入る、ヤブは薄く比較的歩き易
い。
時々コンパスで進行方向を確認…が、なんか変だ、どうも進む方向とコンパスが合わない。
まるっきり180度違うわけではないが進行方向45度右にづれる。
立ち止まりよく周りの地形と地図を確認するがそんなに大きな間違いはしていないハズ。
最悪途中で引き返しても必ず林道に出るので、そのまま進む。
時計も午後3時半を過ぎると薄暗くなる、悪いことに東斜面からの取り付きなので暗くなるのも
早い。
暗くなるのと焦る気持ちでとにかくがむしゃらに進む、かなり焦っていたのかバンバン倒木など
に足をとられる。

唯一の救いは平坦地が少なく比較的分り易い尾根の形状、途中で止めようかと思うがなぜか
絶対迷わないと変な根拠があり山頂へ。
時間は午後3時59分今まさに西の空に太陽が沈む所…辺りは薄暗く迷うこともそうだが
怖い。
物覚えの悪い記憶と周りの地形を見ながら下山開始。
薄い藪とはいえ目に枝などがぶつかるのが怖くサングラスをしているので益々暗い
サングラスを外し裸眼で下る。
途中特徴がある朽ちた切り株、倒木と確認しては生還への?可能性を確信に変えてゆく(ウー
ンかっこいい)。
やっと林道に出て一安心、そのまま5分程進む、我が愛車と再会。
時間は午後4時36分あと10分で真っ暗になるだろう。
車まで出ればひと安心で林道をチェックしながら下る、どうやら1本手前の尾根から取り付いた
模様、引き返した時に焦って1本尾根を間違えていました。
国道に出て富良野を経由南富良野から途中新得の薬草温泉でさっぱりして今夜の宿、芽室町
の剣山登山口山小屋を目指す。
小屋まであと100mとゆう道路脇でいきなり1頭の牛がヘッランプに飛び込む。
一瞬熊かと肝をつぶしました、小屋は電気が点いていて誰かいるかと思うが車もなく中には
誰もいない。
だだっ広い小屋に一人で泊まるのもなかなか怖かった…。
夕食は鍋焼きうどん、寝酒にビールと思うが小屋の中は寒く面倒なのでストーブも点けず。
暖かいシュラフの中でぐっすりと眠りました。


そして日は暮れる


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